| ユダについて | ||||||||||
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マリアから私は地上のメシアという意味で香油をかけてもらったのではない。私の弔いの日のためにそうしてもらったのだ (ヨハネ、12の七)。 ユダはイエスが、人々の期待する “ 政治的な救い主 ”、つまりイスラエルをローマ支配から解放する英雄などではないことを知っていた。そしていま、イエスの答えの意味を理解しえたのも彼だけだった。 師は、現実的には無力な “ 愛の救い主 ” として死のうとしている・・・・。 ユダは多くの弟子たちがイエスに幻滅して去った後も師に従った数少ない一人である。 イエスもまた彼を信用していたことは、ユダが弟子団の会計係に任命されていたことからも分かる。 しかし、いまや彼は愛する師の真意に反発することを禁じえない。 <自分を愛するようにイエスを愛し、自分を憎むようにイエスを憎んだ> ユダは、師の心変わりをどこかで期待しつつ、ともにエルサレムに入った。 そして 「 最後の晩餐 」 での決定的決裂、銀貨30枚で師を売り渡すユダ ― だが彼は、イエスの師の決意を感じてはいたが、そのきっかけをまさか自分が作ろうとは思っていなかった。逮捕された師を眼前にし、あらためて彼の心は揺れ動く。
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